示談を行う前に、その争い事についてどのような事実があったか自分なりにきちんと整理をしておくことが必要です。示談を少しでも有利に行うために、相手を客観的に納得させられる資料等も、準備しておきましょう。
準備しておくものは、その争い事によっても違ってきますが、不倫問題などの場合にはその証拠写真やメール、領収書など物的証拠があれば準備しておきましょう。交通事故などの場合には事故証明書などが必要になりますし、慰謝料などの算定のために診療報酬明細書・医師の診断書なども必要になります。事故の当日に名刺等をもらったら、それをしっかりとって置くことも大切です。金銭トラブルの場合には、借用書や契約書といったものが必要になります。
こういった物的証拠や写真、書類などは示談交渉が決裂して裁判となった場合でも、有効なものとなりますからしっかり保管しておくべきです。相手が示談に応じない姿勢で話し合いをしていても、これらの証拠を実際に見せることによって、示談を見据えた話し合いの姿勢になったということもあります。
争いの事実を明確にするために、トラブルの起きた日時や場所、どのような状況で起こったか、相手の名前や住所、年齢、勤め先、相手にどういった責任があるか、ということも箇条書きなどにしておくことが必要です。
交渉する相手についても、自分なりに知っておく必要があります。交渉に関して誠実に応対してくれそうか、逆にお互いに主張し合っている状態か、また相手が全く話し合いに応じないというような状態か、客観的に判断しておきましょう。
また相手の方が、どういった人柄であるのかということも見ておきましょう。できれば経済状態はどうか、交際範囲はどういった感じか、ということも把握しておく必要があります。示談の前に、当事者同士で話を何度かしていると思いますので、その話し合いの中で、自分との意見の相違が何か、ということも、はっきりとさせておくといいでしょう。
このような示談の前にしておくべきことを、しっかり調べておけば、示談書を作成する際に大きな力となります。専門家に依頼する場合にも、客観的に事実を並べ、自分の意見をはっきりさせておくことで、争いごとの事実等を正確に伝えることができると思います。このような事は感情的になりやすいので、現実をしっかり捉えるためにも必要な準備となると思います。